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▲バベル

2007/05/05  (土) 11:09| 映画感想編集

神は、人を、分けた。

Babel
お薦め度:.★★★★☆.
ああもう元ネタが聖書ものだと出典やネタ探しに夢中になってしまって全然文章がすすみゃしねえ。
想像と仮定の域を越えられないしので書くことが少々はばかられるのですが…この作品を観て感じたことをつらつらと連ねていこうかと思います。

この物語は世界の様々な場所(モロッコの二つの場所・メキシコ・日本)で起こった事件が複雑に絡み合う作りになっています。時間軸や経過がばらばらで、しかもその全容は最後まで観ないとちょっと判りにくいので、その辺は覚悟しておいた方がよいかと思います。(まあバラバラであってもこの国ごとのエピソードとしては時間軸はきちんと並んでいるので今はどの場所の話なのか、ということが理解できていれば充分です)

彼 天より降りる。エホバ 天をたれてくだりたもう。
御足のもと暗きことはなはだし。
エホバくだりて かの人々の建つる街と塔を見たまえり。
いざ我らくだり かしこにて彼らの言葉を乱し
互いに言葉を通ずることを得ざらしめん。
ゆえにその名は バベルと呼ばる。
禍なるかなバビロン そのもろもろの神の像は砕けて地に伏したり。
(創世紀第11章,木下順二訳)

「バベル」とは世界に様々な言葉が存在する由来をさす逸話です。なので当初はアメリカ人はモロッコで、聾唖の少女は健常者と意思の疎通が出来ていないことの哀しさ、切なさが描かれているのかと思っていました。しかし、流石『21グラム』の監督です、更に一歩進めてきました。

この映画では言葉が通じないのではなく、文化・習慣・価値観・エゴイズム・等々によって心が通じない。
私たちには共通の言語は存在しない。『共用言語』を習えばいいという問題ではなく、もっと心の深いところで私たちはお互いのことを理解し得ない。
どの国であっても、基本的生活規範の食べることや、愛もセックス、生も死も…あらゆる生きることに付随するものが存在しているのに、我々は同じものを観ながら共通の意味・認識を持ち得ない。

そしてまた共通の言葉をもってしてもエゴイズムや感情の高まりによって言葉は通じなくなる。
観光バスに置き去りにされたことや、問答無用の銃撃戦、国境突破、父子のすれ違い…。

神は人間が共通の言語を持ち「天まで届く塔のある町を建て、有名になる」ことを良しとせず「彼らは一つの民で、皆一つの言葉を話しているから、このようなことをし始めたのだ」と互いの言葉が理解出来ないようにしました。(聖書『創世記』より)
以後、我々人間は言葉が通じないことによって常に同じ事を繰り返してきました。些細な言い争いから果ては世界レベルの戦争に至るまで。

各国の事件はアメリカ人夫婦の妻が辛うじて命をつなぎとめ、脱水症状で酩酊している子供達が「奇跡的に」発見され(そして彼女が提訴を免れ)、モロッコの羊飼いの兄が死んだと明示されず、日本の父子が心が通い合ったのでは、という僅かな希望のかけらだけを残し、この作品は幕を閉じます。
私はこの微かな希望が見えるが為に、逆にこのような事象の日常的・常態的に行われているという事実を突きつけられたようで酷い絶望感を感じます。

このような悲劇を繰り返さない為には一体どうすれば良いのか?この問いに対して『バベル』では呈示されていません。また天を仰ぎ見て神に問うてみても矢張り答えは得られません。

何故ならこれが神の意志の元になされた人間の業だから。


追記:何故日本で聾唖の少女なのだろう?と疑問に思ったのですが、基本的に単一民族(厳密には違うけど)で島国であることが理由なのかな?と思いました。健常者が日本語が通じることが当たり前で「聞こえない人間」を曰く「化け物の様に」見たりすること、また聞こえなくても正面を向いてゆっくり話せば(本人にしっかり向き合えば)通じること、転じて親子が面と向かって対話するシーンが一度もないところは、なるほど、と言った感じです。

日本公開日:2007/04/29 

「バベル」の劇場検索

詳細情報は以下に。
ギャラリーで「バベル」を検索
「バベル」の「PICO*THEATRE」館内データページ


【ストーリー】
モロッコ。険しい山間部を走る一台のバス。そこに乗り合わせた一組のアメリカ人夫妻、リチャードとスーザン。壊れかけた絆を取り戻すため二人だけで旅行にやってきた。ところが、遠くから山羊飼いの少年が放った銃弾が運悪くスーザンの肩を直撃する。血まみれの妻を抱え、医者のいる村へと急ぐリチャード。一方、夫妻がアメリカに残してきた幼い子供たちの面倒をみていたメキシコ人の乳母アメリア。息子の結婚式に出るため帰郷する予定が、夫妻が戻らず途方に暮れる。仕方なく、幼い子供たちも一緒に連れてメキシコへと向かう決断をする。やがて事件を起こしたライフルの所有者として、最近妻が自殺したばかりの東京の会社員、ヤスジローの名前が浮かび上がる。そんな彼の女子高生になる聾唖の娘チエコは、満たされない日々に孤独と絶望を募らせていた…。
【原作・ノベライズ】
旧新約聖書―文語訳
日本聖書協会


【スタッフ・キャスト・他情報】


(2007,05,05)/(中・感想)

【関連商品】
矢張り
コメントありがとうございます。
絶対にそこに注目する方がいると思っておりましたよ。
ただ個々で「他民族国家」とまではいかないしそれでは作品の説明として適切ではないので「基本的」としたのですが…
日本語は難しいです…
「広い意味で」ならいいでしょうか?
2007/05/07(月) 00:04:47 * * 管理人 #XAjl2.RA[編集]
日本は単一民族国家ではありませんよ。でも監督はそう思ってるかもしれませんね。
2007/05/06(日) 22:46:45 * * #-[編集]

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旧約聖書に出てくる「バベルの塔」をモチーフにしたヒューマンドラマ。 モロッコやアメリカ・サンディエゴ、東京など世界各地で起こる4つのドラマが、 複雑に交錯しながら思わぬ方向に展開していきます。 監督は「21グラム」「アモーレス・ペロス」で知られる アレハンドロ
* 噂の情報屋 * 2007/08/31(金) 20:05:53
映画のバベル、見て来ましたわ。 例のチカチカ画面で吐き気を催した人も 出たっちゅう、曰く付きのんですわ。(苦笑) 感想はなんちゅうか、疲れましたわ。 実は俺も、気分悪うなってしもて・・・(^-^; 内容は端的に云うて、偶然が偶然を生む 不可避の悪事象を通じ
* 大器晩成日記 * 2007/05/15(火) 10:08:49
題名の「バベル」は「人間の傲慢を罰する為に、神が人間の言葉をバラバラにした」というエピソードからのものであるが、この映画「バベル」の中では、もはや言葉だけではなく、心までがバラバラでむすびついていない有様が、描かれる。それはアメリカ人夫婦、モロッコの家..
* 映画と出会う・世界が変わる * 2007/05/13(日) 11:20:27
  「重い。」この映画を観た後に誰もが持つ感想だろう。確かに重い映画だった。しかし私の場合はむしろ、普段からいつも自分の脳ミソで考えている要素がすべてこの映画の中に入っていて、かなり驚いた。このブログのカテゴリでいうと、IT、国際、医療と...
* エコノ研究所 * 2007/05/12(土) 04:14:55
BABEL (2006) メディア : 映画 上映時間 : 143分 製作国 : アメリカ 公開情報 : 劇場公開 (ギャガ・コミュニケーションズ) 初公開年月 : 2007/04/28 ジャンル : ドラマ PG-12 神は、人を、分けた。‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥【クレジット】 監督: アレハ
* ドン子の映画とディズニー三昧 * 2007/05/06(日) 01:19:03
バベル公式HP監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ出演:ブラッド・ピット ケイト・ブランシェット ガエル・ガルシア・ベルナル 役所広司 菊地凛子内容:壊れかけた夫婦の絆を取り戻すために旅をしているアメリカ人夫婦のリチャードとスーザン。バスで....
* 獅子の手帳 * 2007/05/05(土) 01:29:47
映画 バベル の感想人は孤独でいるようで、いろんなところにつながりを持っている。ちょっと不満な点はありましたが、映画全体としてはぼちぼちといったところでしょうか。菊池さんは確かに頑張ってます。
* 映画とゲームの感想 * 2007/05/01(火) 20:31:10
期待はちょっと裏切られました。というか何も知らずに見たのですがあまり満足はしていません。モロッコ,メキシコ,日本をまたいだ作品の割には“グローバル”な感じは一切なく、むしろスケールが小さいような気すらします。国家,民族,宗教,文化などは異なれど誰もが持つ
* 日本サッカーホールディングス * 2007/04/28(土) 23:22:32
遠い昔、言葉は一つだった。神に近づこうと人間たちは天まで届く塔を建てようとした。神は怒り、言われた。“言葉を乱し、世界をバラバラにしよう”やがてその街は、バベルと呼ばれた。~旧約聖書 創世記11章(写真は「バベルの塔」1563年ブリューゲル作)...
【邦題】バベル【あらすじ】モロッコを訪れたアメリカ人旅行者の夫婦。女は地元の子供に誤って撃たれ、瀕死の重傷を負ってしまう。一方、サンディエゴに住む彼らの子供たちは、メキシコ人のベビーシッターが、故郷で行われ
* epiphany * 2007/02/24(土) 08:34:58
 
 
 
 
 
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