ともだちなのに、――おいしそう。
お薦め度:.★★★★.
「友達なのにおいしそう」というのは素敵なコピー。
うん。いいお話ですね。実に可愛らしいし、現在風の童話といった印象です。
ヤギとと狼の関係は、お互い脚を引っ張り合ったり、憎みあったりする現在の社会の関係を揶揄しているようで、メイとガブの関係は実に純粋で、それでいてガブの葛藤は実にリアルです。
従来のアニメとは全く違った手法で描いてあるようで、メイの羊毛?のすすけ具合はすごいし、ガブの体毛のボサボサ加減といったらこれまた逸品。
…が。杉井ギザブロー監督、なんですかねこの演出と脚本は。
私何故だかものすごーーーく試されている気が致しましたわ。己の真の心根を暴かれるというか、腐女子のリトマス試験紙というか。
よっく分かりましたわ私が結局のところオタクオンナだということが(苦笑)
…以下「腐女子」「おたく」「妄想」という言葉が理解出来ない人は読まなくても結構です…。
元々予告編を観た時点でなんとなーく危険な匂いは感じていましたが、実際に本編を鑑賞してみるとその予想は想像以上に当たっていました。
最初は喰うもの喰われるもの種族を超えた友情物語という実に微笑ましい展開だったのですが、後半あたりからなんだか妙な雰囲気。
うーーーん。「友情」と「愛情」の境界線は一体何処にあるのでしょうか。
追っ手をようやく振り切って二人でニコニコ歩くメイとガブ。しかし「友情」でガブに頬を赤らめられてしまった日には私は一体どうしたら良いのでしょうか…。せめてこれでメイが女の子だったら、もしくは演出上比較的男前な話し方をするヤギだったなら……ああ、それでもだめだったかな…。
雪山でのガブの葛藤は本当に切なくてハンカチで瞼をおさえましたが、私は果たして「友情」で泣いているのか「愛情」で泣いているのか段々訳が分からなくなってきました。
「友情」のためにヤギは食べないと心に誓い、メイが就寝している間にこっそりと野鼠を摂っているガブ。分かっていても「なんとなく嫌なんです!」とむくれるメイ。「じゃあどうしろというんだよ!」と怒るガブ。
「友情」のために自分は殺さないと誓ってくれたガブも一方では、何がしかの生命を殺さないと生きていけない生き物。(一応)生きていない植物を食べて生きているヤギのメイがこの問題にどう決着をつけるのか。
正直私はこの問題はもっと突っ込んで追及してくれるのかと思っていたのですが、追跡・逃亡イベントが発生してしまってなんとくうやむやに終わってしまって本当に残念でした。
「友情」と「愛情」、基本的にはキザブロー監督が過去に監督した「銀河鉄道の夜」も人の観ようによってはそのようなニュアンスを含んでいるはずなのですが、今回の作品はどうにもその匂いがプンプンしてしまって本当に困りました。
いいお話なんですよ。お子様には是非ご覧になってもらっていろいろと考えてもらいたいな、と思わせる作品です。
日本公開日:2005/12/10
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【ストーリー】
嵐を避けて、真っ暗闇の山小屋に逃げ込んだヤギのメイ。そこで、同じように嵐から逃げてきた「仲間」に出会う。 仲良くなって、次の日に「あらしのよるに」を合い言葉にして再会を約束する二匹。 次の日メイの前に現れたのは、なんとオオカミだった!
しかしそのオオカミ、ガブとメイは、なぜかそのまま仲良しになってしまう。ガブにしてみれば、メイはごちそう。 我慢したり、悩んだりしながらも二匹は会っては散歩をくりかえす。
【原作・ノベライズ】
あらしのよるにシリーズ 全7巻
講談社
あらしのよるに ちいさな絵童話 りとる
あべ 弘士 講談社
小説 あらしのよるに
きむら ゆういち 小学館
【スタッフ・キャスト・他情報】